ASTBURN WORK SAMPLE / 制作サンプル

モデルケース:大規模アニバーサリー・ライブ。
複数アーティスト × 全世界配信を、私たちならこう設計します。

東京の大型アリーナ。十数組が入れ替わり立つ複数アーティストのライブを、リアル観客と全世界配信の両方で成立させる。設営から本番、撤収まで——アストバーンが現場でどこまで作り込むのかを、1本の架空案件で通してお見せします。“ワンストップ”を、言葉ではなく図面と香盤で。

※ これは制作サンプル(モデルケース)です。 実在の案件・公演・団体・施設・出演者とは一切関係ありません。当社の設計の精度と思考プロセスをお見せするために、すべて架空の設定で新規に作成した資料です。図面・香盤の構成や数値は説明用に設定したものです。
案件概要

設定:1万人級アリーナ × 十数組のアーティスト × 全世界同時配信

出演者が多いほど、転換とリハの設計が勝負になります。現場の熱量を殺さず、配信の画と音も全曲分そろえる。最も難度の高い形のひとつです。

来場(リアル)
約10,000
出演(想定)
十数組
カメラ
12系統
本番尺
210分
設営〜退館
5日
CHALLENGE 01

転換とリハの渋滞

十数組が入れ替わると、サウンドチェックと場当たりが渋滞します。前日までに全組のリハ枠を分単位で組み、当日は香盤通りに流すだけの状態にします。

CHALLENGE 02

配信は全曲が商品

1曲でも音や画が崩れれば、その曲のアーカイブは一生残ります。カメラ12系統・配信冗長化・全曲のカメラ割りを事前に設計します。

CHALLENGE 03

吊り込みと電源の物理限界

LED・照明・特効を吊れば吊るほど、トラスの耐荷重と受電容量が効いてきます。「吊れる前提」で演出を組んで現地で吊れない、を絶対に起こさない。

制作サンプル ①

会場レイアウト・吊り込み図

メインステージ+花道+センターステージのアリーナ構成。トラスの吊り点(モーター位置・耐荷重)、カメラ位置、見切れライン、車椅子・グループボックス席まで1枚に落とし込みます。

スタンド席(2F・3F) スタンド席(2F・3F) アリーナフロア(スタンディング 約6,000) moter moter LEDトラス/照明トラス(吊り点 weight 2t ×4・1t ×4) MAIN STAGE LEDビジョン/可動リフター W7200・特効 見切れライン 見切れライン 花道(トロッコ走行) センター ステージ トロッコ C1 C2 C3 C4 C5 C6 CC CC=センターカメラ(クレーン) FOH 音響・照明・映像卓 W5040×D6300 車椅子・GB席 フラット・段差なし動線 車椅子・GB席 フラット・段差なし動線 来場ゲート・受付 搬入口(ステージ裏) EXIT EXIT EXIT EXIT カメラ(C/CC) トラス吊り点 moter 見切れライン 車椅子・GB席 非常口

吊り荷重計算 ― メインステージ上部トラス 1スパンの例

吊り点(モーター)にかかる重さは、灯体だけではありません。トラスそのものの自重・ケーブル・金物まで、すべて足して初めて「吊り荷重」です。

項目内訳重量(例)
トラス自重アルミ角トラス 約8m+ジョイント金物約 80kg
照明機材ムービング・LEDパー・ピンスポット約 240kg
映像(LED)LEDパネル+フレーム+電源約 280kg
ケーブル電源・DMX・映像(垂れ下がり分込み)約 70kg
金物・付属クランプ・セーフティ・シャックル約 40kg
静荷重 小計=この1スパンを吊るのに必要な重量約 710kg

モーター定格は 0.5t/1t/2t が基本。選定は 安全率5:1(WLL=破断荷重÷5)が原則で、定格いっぱいでは吊りません。4t必要なスパンは2t×2点に分散し、さらに各点に余裕を残します。巻き上げ時の加速で生じる動的荷重も、静荷重に上乗せして見ます。

⚠ ここが落とし穴

重量に入れ忘れがちなのが、トラス自重・ケーブル・金物。特にケーブルは長く垂らすほど効いてきます。灯体だけ数えて発注すると、当日に計算外の重さがかかってモーターが巻き上がらない。吊り込みは演出より先に、すべての重量を足してから確定します。

▶ 現場のひとこと

見切れライン(スタンド端の客から機材裏が見える線)を引かない会場図は、SNS時代には致命傷です。裏側が映り込んだ1枚が拡散したら、演出の価値が一瞬で崩れます。

制作サンプル ②

電気容量計画(負荷計算・漏電対策)

「電源を引けば動く」ではありません。全機材の消費電力を積算し、力率で割って必要容量(kVA)を出し、余裕と漏電対策まで設計します。図ではなく、数字で答えます。

総負荷(実電力)
約90kW
必要容量(力率込)
約140kVA
受電
200V・400A
漏電遮断(感電保護)
30mA / 0.1秒

負荷積算 ― kWで足し、力率で割ってkVAを出す

容量はkW(実際に使う電力)だけで決めてはいけません。LED・調光機器は力率が下がりやすく、kVA(見かけ電力)で見ないと容量が足りなくなります。

系統主な機材想定負荷
照明ムービング ×60/LEDパー ×120/ピンスポット ×4約 45kW
音響L/Rメイン+サブ+ディレイ塔+アンプ群+モニター ×12約 20kW
映像・配信LEDビジョン/カメラ ×12/スイッチャー・配信機材(UPS経由)約 25kW
合計(実電力 kW)— 各機材の定格消費電力を積算約 90kW
力率0.8で換算kVA = kW ÷ 力率(0.8)約 113kVA
余裕率25%込み 必要容量突入電流・追加機材・電圧降下の保険約 140kVA

受電は 三相200V/400A(≒138kVA)クラスを基準に、不足分は仮設発電機を別系統で増設(発電機は kVA×0.8=kW)。照明・音響・配信は必ず別系統に分け、配信系は無停電電源(UPS)で守ります。

⚠ ここが落とし穴

仮設電源で本当に怖いのは、容量不足より感電です。接地(アース)が取れない機材には、高感度・高速形の漏電遮断器(感度電流30mA・動作0.1秒以内)を必ず入れる。LEDの高調波や突入電流も見落としがちで、kWだけで容量を決めると本番中にブレーカーが落ちます。

▶ 現場のひとこと

「何アンペア引けますか」の前に、「全機材で何kVA使いますか」。ここを積算できない会社に、大型現場の電源は任せられません。容量計算と漏電対策は、演出より先に決める土台です。

制作サンプル ③

テクニカル香盤(セクション別マトリクス)

この規模は設営から退館まで5日。各セクション(音響・照明・映像・配信・特効・バンド・運営…)が同じ時間軸で何をしているかを1枚に。リハ系(青)・ゲネプロ(橙)・本番(紺)を分けて管理します。

時刻全体フェーズ音響照明映像・配信特効バンド・出演運営
Day108:00設営開始(搬入・吊り込み)スピーカー吊り込みトラス組み・吊り上げLEDビジョン建て込み機材搬入搬入動線・車輌管理
終日設営継続(夜間も)ケーブル敷設灯体取付・回路結線カメラ位置出し仕込みバックライン搬入楽屋・受付設営
Day2〜12:00設営完了・単体チェック卓〜アンプ結線調光・全灯チェックUPS結線・回線敷設火薬量確認機材セット完了動線最終確認
PMテクニカルリハ系統・ノイズ確認キュー作り込みカメラ割り・配信テスト特効単体リハバックライン確認客導線リハ
Day3終日アーティストリハ各組サウンドチェック各組SS合わせ各組カメラ割り演目別 特効合わせ全組パートRH・場当たり楽屋・ケータリング
Day4AMゲネプロ(本番通し)本番同条件キュー通し本番画で通し特効通し全組通し開場・客導線リハ
17:00開場客電・BGM客電100%配信スタンバイ待機楽屋待機入場・誘導
18:00本番(210分・全世界配信)香盤通りQ出しキュー実行12カメ・配信中キューで発火転換・出ハケ客席安全管理
21:30〜終演・客出し → 撤去開始仕込み逆順で撤去トラス下ろしアーカイブ切替・機材照合残火確認・返却退場・積込退場誘導・原状回復撮影
Day5〜09:00完全退館積込完了積込完了積込完了最終確認・鍵返却
▶ 現場のひとこと

このマトリクスの価値は「他セクションが今何をしているか」が一目で分かること。音響がチェック中に特効が火薬を装填していたら危険。横の列を揃えるだけで、事故は激減します。

制作サンプル ④

本番進行タイムテーブル(2部構成)

本番210分を分刻みで。転換・MC・映像・休憩まで秒単位で設計し、全セクションが同じ台本を持ちます。(演目・出演はすべて架空の記号です)

第一部 18:00–19:11
  • 18:00オープニング・ピアノ(出演A+映像)
  • 18:06OPENING MOVIE
  • 18:07M1–M3(出演B)バンド転換あり
  • 18:21M4(出演C+朗読パート)
  • 18:29M5–M6(出演D+ゲスト)
  • 18:40転換(暗転・トロッコ移動)
  • 18:47M7(出演E)センターステージ
  • 18:53M8–M9(出演F)
  • 19:05M10(出演G)花道演出
  • 19:11休憩(21分)/ 客席映像
第二部 19:32–21:30
  • 19:32M11–M13(出演H)特効・LED連動
  • 19:46M14(出演I+ゲスト)
  • 20:00M15–M16(出演J)トロッコ巡回
  • 20:18転換/MCコーナー
  • 20:30M17(出演K)全キャスト
  • 20:42M18–M19(出演L)クライマックス
  • 20:54END MOVIE
  • 21:00アンコール(全出演)
  • 21:25挨拶・記念撮影
  • 21:30終演 → 客出し・配信クロージング
⚠ ここが落とし穴

転換(暗転中に物が動く時間)を独立の行にしていない進行表は、必ず押します。十数組の出ハケと機材転換を甘く見ると、後半が雪崩のように遅れ、配信の尺もアンコールも削られます。転換こそ分単位で守る。

対応領域

同じ設計思想で、いろいろな現場に立っています

上のモデルケースは大規模ライブですが、考え方はどの現場でも同じ。目的から逆算し、技術の現実まで踏み込んで設計します。(以下はいずれも分野のイメージで、特定の団体・施設を指すものではありません)
なお実際の案件は、守秘義務によりWeb上では公開していません。お打ち合わせの場では、近しい事例をお話しできます。

FIELD 01

エンタメ・配信現場

多カメラのライブ配信、映像演出、大規模イベント。現場とネットの二重最適化、回線・電源の冗長化まで含めた技術設計が強みです。

FIELD 02

スポーツ・集客/ファン体験

試合日のスタジアム集客、ファンエンゲージメント、グッズ・物販導線。「また来たくなる」体験を、回遊と滞在の設計から組みます。

FIELD 03

観光・施設のインバウンド演出

テーマ施設・観光地のインバウンド集客と体験設計。文化の翻訳を踏まえ、海外客に“伝わる”導線と演出をコンサルティングします。

あなたの現場なら、どう設計するか。

このサンプルは架空案件です。あなたの実際の現場に立って、同じ精度の図面と香盤を引くのが私たちの仕事です。「この予算で何ができる?」の一言から、その場で叩き台をお出しします。提案まで費用はかかりません。

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本ページは制作サンプル(モデルケース)です。実在の案件・公演・団体・施設・出演者とは関係ありません。